前回のエントリーはフランスで【公現節】に食されるという『ガレット・デ・ロワ』映像でした。
では熱心なカトリック教国とも言われるスペインではどのようなものを?
先日のスベイン料理教室でつくったのはこちら:
『ロスコン・デ・レジェス~王様の日のリングパン~』です。
そぼーくぅ~なお姿のドーナツ型パン。アンゼリカ、チェリー、オレンジピール等お砂糖漬けのドライフルーツやアーモンドスライスをのせ、粉糖を降って焼いたもの。
生地には、牛乳、少量の生クリームとラム酒のほか、(しぼった)オレンジジュースも使って。
オレンジというところがなんとなくスペインぽいような。
スペインでは一般的に『ロスコン』は家庭でつくるというよりも、買うものだそう。
真ん中で横から水平にカットして、間に生クリームやチョコをはさんで売られているもののあるとか。パン生地には、油脂が入らないせいか、とても早くかたくなってしまうので、カフェコンレチェ(カフェラテ)に浸して食べたりもするそう。
そういえば昨年の1月のレッスンでは、先生がスペインで大量に購入していらした
ロスコンを使って、少々かたくなった場合の食べ方の一つを教えていただきました。
『ビスコッチョ・ボラッチョ・デ・ロス・レジェス~王様のサバラン~』。
しっかーりとラム酒やブランデーをパンにしみこませて、お砂糖さらなるブランデーを混ぜた生クリームをのせ、くるみやココナッツを散らしていただくお菓子。
私はこちらのお味の方が好みだったような。
スペイン語で“ボラッチョ”とは、“酔っぱらった”とか“大酒飲みの”という意味。
すいこむ、すいこむ、“ボラッチョなパン”。なんだか可愛い表現♪
スペインのフェーブ(スペイン語ではsorpresa<驚き>というみたい)は、残念ながらお教室では用意がなく、見ることはできませんでしたが、フランスと同様、やはり色々なモチーフ(主に東方の三博士・レジェス人形)の陶器で、当たると1日王様になれるんだとか。そしてフェーブ以外にもうひとつ、かたい空豆(haba)が入っていて、こちらが当たった人は、その日のロスコン代をご馳走しなければならないそう。黙って飲み込むつわものもいるとか(笑)。
ところで、スペインのロスコンは、メゾンカイザーで販売されているブリオッシュパンに砂糖漬けドライフルーツがのせられた“ブリオッシュデロワ”に似ていますね。ガレットタイプはフランスの主に北、ブリオッッシュタイプが多いのは、プロバンス等の南が多いと聞いたことがありますから、スペインに近づくほとシンプルなパンへと変わっていくのでしょうかね。
同じ宗教的ルーツを持つお菓子、でも地方によってその形は変わる~
お菓子を含めて食べ物の背景にあるストーリーを感じながら、その地方の様子を想像しながら、頂くのも楽しいものですね。
そう、こうしてまた旅心もくすぐられるのであったぁ♪